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岡山で擁壁のある土地を売却・査定する際の注意点|相続した「がけ地」を負債にしない専門家の知恵

掲載日 : 2026/02/24

岡山県内で擁壁(ようへき)のある土地や、いわゆる「がけ地」を含む不動産を相続され、売却や処分にお悩みではありませんか?特に、昭和40年代〜50年代に造成された古い団地や傾斜地にある物件は、現在の建築基準法に適合しない擁壁が多く、売却時に大きなハードルとなることがあります。

フォーシーズン株式会社では、2025年度の実績として仕入れ25現場・75区画(11億円分)、売却査定依頼1255件(うち売却のご依頼220件)を承っており、擁壁のある難しい物件の解決実績も豊富です。空き家、空き地はもちろん、1棟アパート、1棟マンション、ビル、事務所、工務店の家、ハウスメーカーの家など、多岐にわたる物件種別に対応しています。

この記事では、擁壁物件のリスクや「がけ条例」、そして「仲介」か「買取」かの判断基準について、実務の視点から解説します。売却相談・不動産査定は無料にて相談を賜っておりますので、ぜひ参考にしてください。

Q1. 相続した岡山の土地に「古い擁壁」があるリスクとは?放置が招く損害賠償と資産価値の暴落

【結論】擁壁の崩落事故が起きた場合、所有者が損害賠償責任を負うリスクがあり、資産価値も大幅に下がる可能性があります。

相続した土地に古い擁壁がある場合、最大のリスクは「安全性」と「責任」です。民法上の工作物責任により、擁壁が崩れて隣家や通行人に被害を与えた場合、所有者に過失がなくても賠償責任を問われることがあります。

実際のご相談では、見た目には問題がなさそうでも、内部の鉄筋が腐食していたり、水抜き穴が詰まって土圧が高まっていたりするケースが多々あります。特に「水抜き穴から水が出ていない」場合は要注意です。

  • 定期的なメンテナンスがされている場合:リスクは軽減されますが、現在の耐震基準を満たしているかは別問題です。
  • ひび割れ(クラック)や膨らみがある場合:倒壊の危険性が高く、売却時には「瑕疵(かし)」として扱われ、解体・再構築費用分(数百万円〜数千万円)の値引きを要求されることが一般的です。

放置すればするほどリスクは拡大するため、早期の現状把握が必要です。

Q2. 岡山県「がけ条例」の壁:その擁壁は今の基準で「再建築」ができる状態か?

【結論】高さ2mを超える擁壁やがけに近接する土地では、条例により建物の再建築が制限されることがあります。

岡山県建築基準法施行条例(通称:がけ条例)では、高さ2mを超えるがけの下端から、がけの高さの2倍以内の距離に建築物を建てる場合、安全な擁壁を設けるなどの対策が求められます。

実務上よくあるケースとして、既存の擁壁が「検査済証」のない不適格なものであるため、家を建て替える際に「擁壁のやり直し」を求められることがあります。この費用が莫大になるため、実質的に「再建築不可」に近い扱いを受け、査定額が大幅に下がることがあります。

  • 現在の擁壁が適法である場合:そのまま再建築が可能であり、資産価値は維持されます。
  • 既存不適格(昔の基準では適法だが今は不適法)の場合:建替え時に擁壁の改修工事が必要となり、その費用を誰が負担するか(売主か買主か)が交渉の焦点となります。

Q3. 査定額を左右する「工作物確認済証」の有無と、書類がない場合の現実的な対処法

【結論】「工作物確認済証(検査済証)」がない擁壁は評価が著しく下がりますが、是正工事や専門家の調査報告書でカバーできる場合があります。

高さ2mを超える擁壁を作る際は、本来であれば行政の確認を受け、検査済証が発行されています。しかし、古い物件ではこの書類が紛失しているか、そもそも無許可で造成されたケースが少なくありません。

これまで多くの相続不動産のご相談に関与してきた中で、書類が揃っている古い擁壁は稀です。書類がない場合、買主がローンを組めない(金融機関が担保評価しない)ことがあり、売却の難易度が上がります。

  • 検査済証がある場合:適法性が証明できるため、スムーズな売却が期待できます。
  • 検査済証がない場合:一級建築士による「安全性の調査報告書」を作成するか、更地にして擁壁を作り直すことを前提とした「土地値引き」を行うのが現実的な対処法です。

Q4. 「直すか、そのまま売るか」の判断基準:解体・造り替え費用と収支計画のシビアな関係

【結論】擁壁の造り替え費用は高額になるため、基本的には「現状有姿」での売却または買取を目指すべきです。

擁壁の修繕や造り替えには、数百万円から、規模によっては一千万円を超える費用がかかります。売却前に売主様が費用をかけて直しても、その分を売却価格に上乗せできるとは限りません。

弊社では、売却・買取査定をご提案する際に不動産の売却に伴う収支計画書をお渡しいたします。これにより、「直して売る場合の手残り」と「そのまま売る場合の手残り」をシミュレーションできます。

  • 資金に余裕があり、高く売りたい場合:先行投資して擁壁を改修し、付加価値をつけて売り出す選択肢もありますが、リスクは高いです。
  • 手出し費用を抑えたい場合:解体や造成を行わず、現状のまま買取業者に売却する方が、最終的な手残りが確定しやすくなります。

また、登記・測量・解体・リフォーム・清掃などは必要に応じて見積もりを行い、売主様にとって最適なプランを提示します。

Q5. 近隣トラブルを未然に防ぐ境界確定:擁壁の所有権が「自分」か「隣人」かを見極める重要性

【結論】擁壁が「誰の敷地にあるか」を確定測量で明確にすることが、トラブル回避の第一歩です。

擁壁のある土地で最も揉めやすいのが境界問題です。「擁壁は隣地に入っているのか、自分の敷地内なのか」「擁壁の管理責任はどちらにあるのか」が曖昧なままでは、売却後にクレームが発生します。

実際のご相談では、隣地との高低差がある場合、擁壁の中心が境界線だと思い込んでいるケースがありますが、実際は「擁壁全体が上の土地の所有物」であることも、「下の土地の所有物」であることもあります。

  • 境界杭があり、筆界確認書がある場合:権利関係が明確なため、安心して取引を進められます。
  • 境界が不明確な場合:弊社提携の測量士・測量コンサルタントと連携し、境界確定測量を行うことを強く推奨します。費用はかかりますが、将来の紛争リスクを遮断できます。

Q6. 遠方からの「実家じまい」:擁壁リスクを切り離し、最短で現金化するための買取活用術

【結論】遠方にお住まいで管理が難しい場合、瑕疵担保責任(契約不適合責任)を免責できる「買取」が最適解です。

遠方からの実家じまいでは、頻繁に現地へ戻って草刈りや擁壁の点検を行うことは困難です。仲介で一般個人に売却した場合、引渡し後に擁壁の不具合が見つかると、売主様が修補請求を受けるリスクが残ります。

一方で、フォーシーズン株式会社が買主となる「買取」であれば、業者がリスクを承知で購入するため、売主様の契約不適合責任は免責されます。

実家じまいの一般的な段取り:

  • 名義確認(相続登記が完了しているか)
  • 共有確認(兄弟間での遺産分割協議)
  • 家財整理(遺品整理業者への依頼など)
  • 境界/測量(隣地との境界確定)
  • 売却/買取判断(収支計画に基づく決定)
  • 契約・決済(現金化)

特に擁壁物件は、売却後のトラブルを避けるために「買取」を選ばれる方が多いのが実情です。

Q7. 空き家やアパートなど建物がある場合の擁壁物件の売却方法は?

【結論】建物があっても売却は可能です。家財整理から解体、売却まで一括でサポートできます。

擁壁の上に空き家、1棟アパート、1棟マンション、ビル、事務所、工務店の家、ハウスメーカーの家などが建っている場合でも、そのまま売却することは可能です。ただし、建物の重みが擁壁に負担をかけている場合、解体して更地にする方が売りやすいケースもあります。

実家じまい・家じまいの文脈では、建物内の荷物がネックになりますが、弊社では家財の仕分け・処分(必要に応じて遺品整理業者の活用)から、不動産の処分(売却、解体して更地、賃貸)まで、窓口を一本化して対応可能です。

  • 建物がまだ使える場合:中古住宅や収益物件としてリフォームし、再利用を図ります。
  • 建物が老朽化している場合:解体見積もりを取り、更地渡し条件で売却するか、現況のまま弊社が買い取って解体を行います。

Q8. 擁壁のある土地の売却で、弁護士や測量士が必要になるケースとは?

【結論】権利関係の複雑さや境界の曖昧さに応じて、提携士業と連携し、法的に安全な取引を構築します。

擁壁物件の売却は、単なる不動産取引以上に専門的な判断が求められます。弊社では、お客様の状況に合わせて以下の専門家へお取り継ぎを行います。

  • 隣地と境界や擁壁の所有権で揉めている場合:提携の【弁護士】をご紹介し、法的な解決を図ります。
  • 相続税の申告や売却益の税金が心配な場合:提携の【税理士】と連携し、手取り額を最大化するアドバイスを行います。
  • 相続登記が未了の場合:提携の【司法書士】が名義変更をサポートします。
  • 敷地の境界が不明な場合:提携の【測量士・測量コンサルタント】が測量を行い、境界を確定させます。

実務で誤解されやすいポイントとして、「測量や登記は売れてからやればいい」と考える方がいらっしゃいますが、擁壁物件の場合は「境界と責任の所在」が確定していないと、そもそも査定額が出せない(または非常に低くなる)ことが一般的です。

Q9. 擁壁物件を「仲介」で売るか「買取」で売るか、どう決めるべき?

【結論】「価格」を最優先するなら仲介、「スピードと安心(免責)」を優先するなら買取をおすすめします。

最後に、擁壁のある土地を売る際の「仲介」と「買取」の違いを整理します。想いの詰まったご実家を中古住宅として次の方に利用してもらうことは、既存ストックの活用となり、結果としてCO2削減につながる環境価値の高い選択です。しかし、擁壁のリスクがある場合は慎重な判断が必要です。

仲介の場合:

  • メリット:市場価格で売れる可能性がある。
  • デメリット:いつ売れるか分からない。内覧対応が必要。近所に広告で知られる。引渡し後の不具合(雨漏りや擁壁の欠陥)リスクを負う。仲介手数料(売却価格の3%+6万円)がかかる。

買取の場合(フォーシーズン株式会社):

  • メリット:最短数日〜数週間で決済可能。仲介手数料不要。現状のままでOK(残置物撤去も相談可)。広告不要で近所に知られない。契約不適合責任が免責される。
  • デメリット:価格は相場の7〜8割程度になる傾向がある。

判断基準:

  • 価格優先(少しでも高く売りたい、時間に余裕がある)
  • スピード優先(すぐに現金化したい、維持費を止めたい)
  • 手間回避(片付けや測量、内覧対応をしたくない)
  • 近所に知られたくない(プライバシー重視)

相続状況や名義、共有、物件種別(農地等)によって判断が異なるため、最終的な判断は個別事情を踏まえた検討・相談が必要です。

まとめ

擁壁のある土地やがけ地の売却は、専門的な知識と経験が不可欠です。安易な判断で放置したり、個人間売買を行ったりすると、後々大きなトラブルに発展しかねません。まずは専門家の査定を受け、現状のリスクと価値を正しく把握することから始めましょう。

関連する詳しい情報はこちらのブログ一覧もご参照ください。

監修者プロフィール

本記事は、フォーシーズン株式会社が監修しています。岡山県内の相続による資産処分(農地・田・畑・戸建住宅・宅地・マンション)から、売却査定・買取査定・即現金化まで、実務に基づいて情報提供しています。

取り扱いは、空き家・空き地に加え、1棟アパート・1棟マンション・ビル・事務所などの収益物件、工務店の家・ハウスメーカーの家まで幅広く対応します。他府県在住で岡山県の資産を処分したい「遠方対応」も、現場で実際に起こることを前提に段取りを整理します。

売却相談・不動産査定は無料にて相談を賜っております。売却・買取査定をご提案する際は、不動産の売却に伴う収支計画書をお渡しし、手取りや諸費用の見通しを明確にしたうえで、売却(仲介)と買取のどちらが合うかを整理します。

また、登記・測量・解体・リフォーム・清掃などは必要に応じて見積もりを行い、手戻りが出やすいポイント(名義・共有・境界など)を先に洗い出して、売主様のご負担が増えにくい進め方を重視しています。相続状況や名義、共有、物件種別(農地等)により判断は異なるため、最終的な進め方は個別事情を踏まえて検討します。

実家じまい・家じまいでは、家財の仕分け・処分(必要に応じて遺品整理業者の活用)から、不動産の処分(売却、解体して更地、賃貸)まで、手続きと費用が絡む全体像を整理し、次に何を決めるべきかを明確にします。

想いの詰まった自宅についても、状況により中古住宅として次の方に活用されることで、結果としてCO2削減につながる側面があります。数字を断定するのではなく、一般論として「活用される価値」を踏まえて選択肢を整理します。

  • 荒木隆正(代表取締役):業界歴31年・取引実績2300件超
  • 菊池貴也(取締役(開発事業部部長)・宅地建物取引士):業界歴21年・取引実績150件以上
  • 水嶋章人(取締役(仲介事業部長)・宅地建物取引士・FP2級・賃貸不動産経営管理士):業界歴12年・取引実績500件以上

2025年度の実績
仕入れ:25現場・75区画、11億円分の不動産を購入
売却査定依頼:1255件(うち売却のご依頼:220件)
仲介売買(売却・購入):取引実績380件

提携士業・専門家へのお取り継ぎ
弁護士:相続財産の家族兄弟間トラブル等が生じている場合、弊社提携弁護士をご紹介いたします。当事者間で解決が難しいケースは、専門家に任せることで早期整理を図ります。
税理士:相続税や不動産売却に伴う税の論点整理が必要な場合、弊社提携税理士をご紹介いたします。様々な税に関するアドバイスにより、納税の軽減につながるケースもあります。
司法書士:遺産分割協議の整理、相続登記など、登記名義人を確定したうえで不動産売却を進める必要があるため、法令に基づいて適正に相続財産の仕分け提案を行い、手続きにつなげます。
測量士・測量コンサルタント:土地の分割、測量などを行い境界確定業務を行います。境界が曖昧・未確定の場合、隣接地所有者とのトラブルを未然に防ぐ観点から、測量境界確定が必要となるケースがあります。
お客様のご要望に応じて専門家へのお取り継ぎを行います。

【取材掲載】
荒木隆正:https://www.hakka-japan.com/post/4seasons
水嶋章人:https://wakusuma.com/magazine/column/worker/2024-0621/
https://wakusuma.com/magazine/column/worker/2024-0603/
https://wakusuma.com/magazine/column/worker/2024-0611/

一般論の説明にとどまらず、「この物件はどの進め方が合うか」、「価格とスピードの優先順位をどう決めるか」、「トラブルや手戻りになりやすい点はどこか」といった実務上の判断ポイントを重視した情報提供を行っています。