岡山で相続放棄を決める前の不動産調査手順|管理責任と売却判断の実務
掲載日 : 2026/02/13

「親が亡くなり、岡山にある実家を相続することになったが、遠方に住んでいて管理もできない。建物も古く、負債になるくらいなら相続放棄をしてしまいたい」
そのように悩み、早急に手続きを進めようとしている方が増えています。しかし、実務の現場で私たちが直面するのは、「相続放棄をしても管理責任だけが残ってしまい、結局トラブルに巻き込まれる」というケースや、逆に「売れないと思い込んでいたが、実は買取が可能で、手元に現金が残った」という事例です。
この記事では、2025年度だけで1,255件の売却査定依頼(うち売却依頼220件)に対応してきたフォーシーズン株式会社が、相続放棄を判断する前に必ず行うべき「不動産調査の手順」を解説します。
放棄手続きの期限は「相続を知ってから3ヶ月」ですが、その間に正しい手順で調査を行えば、「管理責任のリスク回避」と「資産化の可能性」を冷静に見極めることができます。
Step1:遠方からでも可能!岡山の現地調査と「負債不動産」の境界線を特定する
【結論】このステップでは、相続対象となる不動産を特定し、それが「資産」か「負債」かの初期判断を行います。
相続放棄を検討する方の多くは、「どんな不動産がどれだけあるか把握できていない」ことがよくあります。特に遠方に住んでいる場合、現地に行くこと自体がハードルとなりますが、まずは手元にある情報から整理を始めます。
- 固定資産税納税通知書の確認(毎年4〜5月頃に届く書類)
- 「名寄帳(なよせちょう)」の取得(役所で全所有不動産を一覧化)
- Googleマップ・ストリートビューでの現況確認
ここで重要なのは、「建物が倒壊しそうか」「敷地の境界が明確か」「再建築が可能か」といったポイントです。これらが不明確なまま放棄すると、後に「空き家対策特別措置法」に基づく管理責任を問われるリスクがあります。
注意点:
ご自身で現地確認が難しい場合は、地元の不動産会社に現況写真の撮影を依頼するのも一つの手です。弊社でも遠方のお客様に代わり、現地の状況確認をサポートしています。
Step2:市街化調整区域や農地でも諦めない!売却・買取査定で「資産価値」を再定義する
【結論】このステップでは、一般的に「売れない」とされる物件でも、価格がつく可能性があるか査定を行います。
「田舎の農地だから」「市街化調整区域だから」「ボロボロの古家だから」といって、調査もせずに放棄を選ぶのは早計です。実際、2025年度の実績として、弊社は25現場・75区画、総額11億円分の不動産を仕入れ(買取)ており、その中には一見「負債」に見える物件も多数含まれていました。
- 不動産会社への机上査定依頼(無料)
- 買取査定の依頼(現状のままで買い取れるか確認)
仲介と買取の違い:
仲介(高く売りたい場合):市場価格での売却を目指せますが、いつ売れるか分からず、その間の管理費がかかります。また、契約不適合責任(売却後の不具合対応)のリスクがあります。
買取(早く現金化したい場合):価格は相場の7〜8割程度になりますが、最短数日〜数週間で現金化でき、契約不適合責任も免責されるケースがほとんどです。相続放棄を検討するレベルの物件であれば、「買取」での処分が可能かを優先的に探るべきです。
売却相談・不動産査定は無料にて相談を賜っております。まずは「値段がつくか」を知ることから始めましょう。
Step3:収支計画書で比較する「相続放棄」vs「現状のまま買取」の最終損益
【結論】このステップでは、具体的な数字を出し、経済的合理性に基づいて判断を下します。
相続放棄には、家庭裁判所への申述手続き費用や、場合によっては相続財産清算人の選任予納金(数十万円〜)がかかることがあります。一方で、安価でも不動産を売却できれば、手元に現金が残る可能性があります。
- 相続放棄にかかる総費用の試算
- 不動産売却時の手取り額の試算(税金・諸経費引き後)
弊社では、売却・買取査定をご提案する際に「不動産の売却に伴う収支計画書」をお渡しいたします。これにより、「放棄して費用を払う」のと「安くても売却して現金を残す(あるいは持ち出しなしで手放す)」のと、どちらが得策かを一目で比較できます。
Step4:家じまいと遺品整理の見積もりから算出する「持ち出し費用」のリアル
【結論】このステップでは、建物内の残置物(家財道具)の処分にかかる費用を把握します。
不動産そのものより、中の荷物の片付けがネックになるケースが非常に多いです。実家じまい・家じまいにおいては、以下の選択肢を検討します。
- 遺品整理業者への見積もり依頼
- 解体業者への見積もり依頼(残置物ごと解体する場合)
実務のポイント:
「荷物そのままで買い取ってほしい」というご要望にも対応可能です。この場合、買取価格から処分費用が差し引かれますが、ご自身で業者を手配する手間と時間を大幅に削減できます。登記・測量・解体・リフォーム・清掃などは必要に応じて見積もりを行い、売主様の実費負担がどの程度発生し得るかを明確にします。
Step5:提携士業と連携し、法的な「放棄の可否」と「登記未了」の整理を進める
【結論】このステップでは、法的な手続きの障害を取り除き、最終的な実行に移ります。
調査の結果、売却を進めるにしても、相続放棄をするにしても、専門家の関与が必要な場面が出てきます。相続の状況、名義、共有、物件種別(農地等)によって最適な進め方は異なるため、個別事情を踏まえた連携が不可欠です。
- 司法書士:相続登記が未了の土地や、名義変更が必要な場合。
- 弁護士:遺産分割で親族間の揉め事がある場合や、相続放棄の申述代理が必要な場合。
- 土地家屋調査士・測量士:境界が不明確で、隣地との確認が必要な場合。
- 税理士:売却後の譲渡所得税や相続税の申告が必要な場合。
弊社では、これらの専門家への条件分岐付きでのお取り継ぎを行っており、ワンストップで問題を解決できる体制を整えています。
2025年度の実務から見る「放棄するより買取の方が安く済む」逆転現象の正体
最後に、近年の傾向について触れておきます。2025年度の仲介売買取引実績380件の中には、「当初は相続放棄を考えていたが、結果的に買取を選んだ」というお客様が多数いらっしゃいました。
理由はシンプルです。相続放棄をしても、次の管理者が決まるまでは管理義務(保存義務)が残るケースがあり、完全に手放せたことにならない不安が続くからです。それならば、多少安くても不動産会社に買い取ってもらい、所有権を移転させた方が、法的な責任から完全に解放されます。
また、想いの詰まったご実家を中古住宅として再生し、次の方に住んでもらうことは、新築工事に伴うCO2排出を抑え、環境負荷の低減にもつながります。単に「捨てる」のではなく「つなぐ」選択肢として、買取査定を一度検討してみる価値は十分にあります。
関連する詳しい情報はこちらのブログ一覧もご参照ください。
監修者プロフィール
本記事は、フォーシーズン株式会社が監修しています。岡山県内の相続による資産処分(農地・田・畑・戸建住宅・宅地・マンション)から、売却査定・買取査定・即現金化まで、実務に基づいて情報提供しています。
取り扱いは、空き家・空き地に加え、1棟アパート・1棟マンション・ビル・事務所などの収益物件、工務店の家・ハウスメーカーの家まで幅広く対応します。他府県在住で岡山県の資産を処分したい「遠方対応」も、現場で実際に起こることを前提に段取りを整理します。
売却相談・不動産査定は無料にて相談を賜っております。売却・買取査定をご提案する際は、不動産の売却に伴う収支計画書をお渡しし、手取りや諸費用の見通しを明確にしたうえで、売却(仲介)と買取のどちらが合うかを整理します。
また、登記・測量・解体・リフォーム・清掃などは必要に応じて見積もりを行い、手戻りが出やすいポイント(名義・共有・境界など)を先に洗い出して、売主様のご負担が増えにくい進め方を重視しています。相続状況や名義、共有、物件種別(農地等)により判断は異なるため、最終的な進め方は個別事情を踏まえて検討します。
実家じまい・家じまいでは、家財の仕分け・処分(必要に応じて遺品整理業者の活用)から、不動産の処分(売却、解体して更地、賃貸)まで、手続きと費用が絡む全体像を整理し、次に何を決めるべきかを明確にします。
想いの詰まった自宅についても、状況により中古住宅として次の方に活用されることで、結果としてCO2削減につながる側面があります。数字を断定するのではなく、一般論として「活用される価値」を踏まえて選択肢を整理します。
- 荒木隆正(代表取締役):業界歴31年・取引実績2300件超
- 菊池貴也(取締役(開発事業部部長)・宅地建物取引士):業界歴21年・取引実績150件以上
- 水嶋章人(取締役(仲介事業部長)・宅地建物取引士・FP2級・賃貸不動産経営管理士):業界歴12年・取引実績500件以上
2025年度の実績
仕入れ:25現場・75区画、11億円分の不動産を購入
売却査定依頼:1255件(うち売却のご依頼:220件)
仲介売買(売却・購入):取引実績380件
提携士業・専門家へのお取り継ぎ
弁護士:相続財産の家族兄弟間トラブル等が生じている場合、弊社提携弁護士をご紹介いたします。当事者間で解決が難しいケースは、専門家に任せることで早期整理を図ります。
税理士:相続税や不動産売却に伴う税の論点整理が必要な場合、弊社提携税理士をご紹介いたします。様々な税に関するアドバイスにより、納税の軽減につながるケースもあります。
司法書士:遺産分割協議の整理、相続登記など、登記名義人を確定したうえで不動産売却を進める必要があるため、法令に基づいて適正に相続財産の仕分け提案を行い、手続きにつなげます。
測量士・測量コンサルタント:土地の分割、測量などを行い境界確定業務を行います。境界が曖昧・未確定の場合、隣接地所有者とのトラブルを未然に防ぐ観点から、測量境界確定が必要となるケースがあります。
お客様のご要望に応じて専門家へのお取り継ぎを行います。
【取材掲載】
荒木隆正:https://www.hakka-japan.com/post/4seasons
水嶋章人:https://wakusuma.com/magazine/column/worker/2024-0621/
https://wakusuma.com/magazine/column/worker/2024-0603/
https://wakusuma.com/magazine/column/worker/2024-0611/
一般論の説明にとどまらず、「この物件はどの進め方が合うか」、「価格とスピードの優先順位をどう決めるか」、「トラブルや手戻りになりやすい点はどこか」といった実務上の判断ポイントを重視した情報提供を行っています。